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光合成バカンス(^ ^)

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下層植生の成長を予測するために光合成などの生理情報を測定します。今年は40個体ほど測定する予定ですが、植物も人間と同じように光が強すぎるとへばってしまうためパラソルをつかって光を和らげています。むしろ人間の方が暑さに耐えきれないことも。。

環境フィールドワーク

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東海大学海洋学部の学生のみなさんを対象に、天竜フィールドで環境フィールドワーク演習を行いました。 森林と河川の物質循環について説明して、陸域と水域の機能的なつながりを理解してもらうことが目的です。当日はあいにくの雨でしたが、猛暑よりは過ごしやすかったのではないでしょうか。実習の様子を紹介したいと思います。 まずヒノキ人工林の炭素と窒素の循環を説明しました。私たちの立っている場所は調度40年生と90年生林の境になります。手前の40年生の林は密度が高く暗いために下層植生がありませんが、奥の90年生では明るいために繁茂しています。このような森林の構造の違いを観察しながら、物質循環が時間や場所によって大きく変化することを説明しました。 90年生ヒノキ人工林における土壌断面の組成と構造を説明している様子。 なぜ土が熱帯のような赤色をしているのか?森が土をつくり土が水をつくる!など、興味深い内容でした。 天然性の常緑広葉樹林の物質循環を、先のヒノキ人工林と対比させながら説明しました。森林の様子も全然違いますね。 葉の分解実験も行いました。5月中旬に採取した広葉樹(オオバヤシャブシ)と針葉樹(ヒノキ)の葉を、ヒノキ人工林と天然生広葉樹林の林床に放置して、どれだけ分解されるかを比較しました。手前が広葉樹林に置いたもの、奥が人工林に置いたものです。わずか2ヶ月間の実験でしたが、針葉樹のほうが分解されにくく、また、広葉樹林で分解速度が高いことがわかります。地面にある白いものは、葉が入れてあった網袋です。 宿舎に戻り昼食をとった後、宿舎の側にある阿多古川で河川の物質循環のはなしをしました。 実習の前日まで晴天が続いていたので、水量はかなり少なかったです。河川の様子を観察しながら、上流は山に囲まれているために暗く、森林からのリタ-が重要な養分供給源であること などを説明しました。 ここでも5月中旬に、ヒノキとヤシャブシの葉を網袋に入れて河に沈め、分解実験を行いました。写真は袋を引き上げて、取り出した葉を観察しているところです。森林の場合とは違い、ヒノキもかなり腐食・分解が進んでいました。  最後に質問コーナーを設けて、実習を終了しました。 普段の研究で、河川生態系や森林と河川のつながりを考えることはあまりなかったので、私にとっても勉強になった実習でした。これからもフィールド内外でおもしろい...

造林学実験

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7/7に環境森林の3年生を対象として、造林実験(実習?)が天竜フィールドで行われました。4班に分かれて、室内での光合成測定+クロロフィル測定+全天空写真解析と、野外での木部圧ポテンシャル測定+光環境測定+SPAD測定など、内容盛りだくさんの実習でした。写真は、朝に講義室で先生が実習内容を説明しているところです。この日は午後からものすごい猛暑となりました(梅雨あけ)。室内は冷房で快適でしたが、野外実習はかなり大変そうでした(私はずっと室内にいました)。 室内での光合成測定の様子。宿舎裏庭のブナの陽葉と陰葉(明るいところ、暗いところにある葉)について、光-光合成カーブを測定しました。机の上にある機械を操作して測定します。 クロロフィル蛍光測定装置(PAMシステム: 植物の強光ストレスなどを調べる装置)の説明と、全天空写真の解析(森林の葉面積や林内の光環境の推定)を行いました。 まずネットからフリー解析ソフトをダウンロードするところから講義が始まりました(無線RAN完備!)。私が3年生の頃は携帯もまだありませんでした(たぶん)。実習もずいぶん様変わりしました。ものすごい進歩ですね。 伐採跡に更新した稚樹群落(若木が密生している場所)において、群落内の光環境や葉のクロロフィル含有量、葉の角度の測定方法について、実習を行いました。葉の角度の測定方法について、ティーチングアシスタントが学生に説明をしているところです(想像ですが)。 プレッシャーチェンバー(圧力を測る装置)で、林縁のヤブムラサキの木部圧ポテンシャルを測定している様子。葉に圧力を加えて、葉柄から水分がにじみ出たときの圧力を読み取ります。ルーペで葉柄の断面を観察しています。圧力をかけすぎると、水分が噴水のように吹き出てしまうので、赤色のコックを慎重に操作して、ゆっくりと圧力を加えていきます。暑そうですね。 群落内の光環境(右)と葉のクロロフィル濃度の測定(左下)の様子。右側の長い棒はセプトメータという機械で、64個の光センサーが棒の中に並んでいます。それを群落内に突き刺して、内部の光環境を計測します。そんなに重くはないのですが、センサーを水平に保つ必要があるため、何度も測定していると結構腕が疲れます。左下はSPAD(青い服を着た彼が手に持っている小型の装置)でクロロフィル濃度(正確にはSPAD値)を測定しています。こ...

苗場山調査

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苗場山のブナ林で一本はしごを設置してきました。その様子を紹介します (フィールドセンターの林ではありません、念のため)。 一本はしご(ブナ)ブナの木の上部にある枝を採取するため、一本はしごを設置しました。設置の様子などを紹介します。はじめに木の形状を見て、どのルートで登るかを決めます。オーバーハングになる部分をなるべく少なくすることが重要です。はしごは鉄製ですがかなりしなやかで、途中で登る向きやコースを変更することも可能です。 はしごは、長さ1.5mのパーツになっています。写真のように安全ベルトをつけて、ロープで固定しながら、はしごを足していきます。1日の作業で、18mのはしごを2本くらい設置できます。いい運動になります。 根元の様子。ブナの根を傷つけないように足場板やゴム板を下に敷きます。根の形状によっては、写真のような変則的な設置方法になります(あんまりいい例ではありませんが)。 ロープによる固定の様子。緩まないようにしっかりと固定します。 一本はしごの完成です。このブナは樹高20~22mですが、18mまではしごをつけました(先端のほうではしごがカーブしているのがわかるでしょうか)。登るときには必ず安全ベルトとヘルメットを着用し、風の強い日は避けます。また、太い枯れ枝はあらかじめ切除しておきます。枯れていないと思って掴むと危ないからです。調査がうまくいきますように。

事務所玄関のツバメの巣(その後)

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事務所玄関のツバメの巣が落とされていました。カラスに襲撃された??? 最近、事務所周辺で3羽のカラスがよく鳴いています。残念と思う気持ちとかわいい七つの子のお腹の足しになったのだからよいと思う気ちとが交錯します。でも、なんとなく残念ですね。「わるいね!」

事務所玄関ツバメの巣

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順調に巣立ってほしいものです。

フィンランド出張

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大学のフィールドとは全く関係ないのですが、フィンランド・ラップランド地方のイバロへ出張する機会があったので、北方の森林の様子を紹介したいと思います。オーロラ、トナカイ、サンタクロース、ムーミンでよく知られるフィンランドですが、今回訪問したイバロ、Saariselka、イナリは年降水量がおよそ500mm、平均気温が約-1℃と非常に寒いところです。そのため、樹木の成長が遅く密度も日本と比べてかなり低いです。主な構成種はヨーロッパトウヒやアカマツ、カンバで、林床にはコケやベリーが多いです。写真をいくつかまとめたので、日本の森林との違いを感じて頂ければと思います。 最初の写真はSaariselka近郊の丘のふもとのカンバ林です。 トナカイ(Saariselka)。奈良公園のシカほどではないですが、あちこちで見かけます。ちなみに全てのトナカイが野生というわけではなく、持ち主の決まっている放牧状態のトナカイも多いそうです。訪問した6月はまだ寒いのですが、少し気温が上がると森林には大量の蚊が発生します。それを避けるためによく道路へ出てくるそうです(寒くて蚊がいないときでも、アスファルトが暖かくて気持ちが良いらしく、やはり道路へ出てくるそうです)。トナカイ料理や革製品をいたるところで目にします(料理はかなりおいしいです)。 Saariselka近郊の丘を散策。 わい性化したBetula pubescens(たぶん)(Saariselka近郊の丘の中腹)。それほど高い丘ではないのですが、少し上ると樹木はわい性化して荒涼とした風景が広がります。 Betula nana(Saariselka近郊の丘の中腹)。枝が地面にころがっているように見えますが、これでも1つの個体です。Betula pubescensと同じカンバの1種ですが、暖かい場所でもそれほど大きくならないようです。 散策中に曇ってきたと思ったら、突然の吹雪に。日中は20℃近くになるときもあるので、ものすごい温度差です。植物にとってはかなり過酷な環境です。落葉広葉樹(カンバ)が青い葉をつけているのに雪が降っている、めずらしい光景ですね。(Saariselka近郊の丘) ヨーロッパアカマツ (イナリ) アカマツ林。寒く成長が遅いので、太いものは樹齢300~600年にもなるそうです。(イナリ) アカマツの立ち枯れ木。寒くて腐りにくい...