大学のフィールドとは全く関係ないのですが、フィンランド・ラップランド地方のイバロへ出張する機会があったので、北方の森林の様子を紹介したいと思います。オーロラ、トナカイ、サンタクロース、ムーミンでよく知られるフィンランドですが、今回訪問したイバロ、Saariselka、イナリは年降水量がおよそ500mm、平均気温が約-1℃と非常に寒いところです。そのため、樹木の成長が遅く密度も日本と比べてかなり低いです。主な構成種はヨーロッパトウヒやアカマツ、カンバで、林床にはコケやベリーが多いです。写真をいくつかまとめたので、日本の森林との違いを感じて頂ければと思います。 最初の写真はSaariselka近郊の丘のふもとのカンバ林です。 トナカイ(Saariselka)。奈良公園のシカほどではないですが、あちこちで見かけます。ちなみに全てのトナカイが野生というわけではなく、持ち主の決まっている放牧状態のトナカイも多いそうです。訪問した6月はまだ寒いのですが、少し気温が上がると森林には大量の蚊が発生します。それを避けるためによく道路へ出てくるそうです(寒くて蚊がいないときでも、アスファルトが暖かくて気持ちが良いらしく、やはり道路へ出てくるそうです)。トナカイ料理や革製品をいたるところで目にします(料理はかなりおいしいです)。 Saariselka近郊の丘を散策。 わい性化したBetula pubescens(たぶん)(Saariselka近郊の丘の中腹)。それほど高い丘ではないのですが、少し上ると樹木はわい性化して荒涼とした風景が広がります。 Betula nana(Saariselka近郊の丘の中腹)。枝が地面にころがっているように見えますが、これでも1つの個体です。Betula pubescensと同じカンバの1種ですが、暖かい場所でもそれほど大きくならないようです。 散策中に曇ってきたと思ったら、突然の吹雪に。日中は20℃近くになるときもあるので、ものすごい温度差です。植物にとってはかなり過酷な環境です。落葉広葉樹(カンバ)が青い葉をつけているのに雪が降っている、めずらしい光景ですね。(Saariselka近郊の丘) ヨーロッパアカマツ (イナリ) アカマツ林。寒く成長が遅いので、太いものは樹齢300~600年にもなるそうです。(イナリ) アカマツの立ち枯れ木。寒くて腐りにくい...